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飛行機の緊急事態!そのとき機内は?動画解説チャンネル3選

飛行機の緊急事態を解説しているテレビ番組って見入ってしまいませんか。

YouTubeにも技術的な視点から飛行機の緊急事態を解説する動画の投稿チャンネルがいくつか存在します。
これらの動画を視聴すれば、どのようにして起こってしまったのか、どんな状況だったのか、いかに対策をしたかなどを学ぶことができます。

今回は、飛行機の緊急事態の状況と対策を解説しているチャンネルと、実際のトラブル時の客室の様子を映した動画を紹介します。

動画投稿チャンネル3選

実際の調査結果に基づいて解説しているチャンネルと、投稿者がトラブルのシチュエーションを想定して対応するチャンネル1つを紹介します。

機上空論チャンネル

機上空論チャンネル は、2020年1月に開設されたチャンネルです。

YouTubeの「機上空論」チャンネルの画像
「機上空論」チャンネル (引用元: YouTube「機上空論」チャンネル

事故調査報告書をもとにフライトシミュレータの動画や写真を見せながら、状況を説明し、事故がなぜ起きたのか、事故を受けての勧告などを解説しています。

また、航空無線におけるパイロットVS管制官などの動画も投稿しており、見ていて面白いです。 動画のコメント欄では、現役のパイロットが見ているといったコメントもありました。

このチャンネルで投稿されている動画の例を紹介します。
次の動画は、国内機のニアミス(飛行機同士の異常接近)を解説したものです。しっかりと調べられており、動画のクオリティが高いのがわかるかと思います。

パイロットノートチャンネル

パイロットノートチャンネル は、2020年3月に開設されたチャンネルで、現役のパイロットが事故や豆知識などを解説しています。

YouTubeの「パイロットノート」チャンネルの画像
「パイロットノート」チャンネル (引用元: YouTube「パイロットノート」チャンネル

このチャンネルは緊急時にどうしたらよいのか、無線内容の解説や用語の解説があることから、初心者でも分かりやすい内容となっています。
最近は更新頻度が少ないものの、信頼性のある貴重な動画投稿チャンネルです。

実際の管制官との交信内容をもとに解説した動画もあります。
例えば次の動画は日本の事例でわかりやすく、おすすめです。

e92m3s65b40agogoチャンネル

e92m3s65b40agogoチャンネル では、航空機に詳しい投稿者さんがフライトシミュレータを使用して作成した、ゆっくり実況動画を投稿しています。

YouTubeの「e92m3s65b40agogo」チャンネルの画像
「e92m3s65b40agogo」チャンネル (引用元: YouTube「e92m3s65b40agogo」チャンネル

飛行機以外にもさまざまな動画が投稿されています。飛行機に関しては、チャンネル登録者数1000人につき緊急事態編を1本製作しているとのことです。
いずれも実際の起こった事例ではないので、安心して観ることができます。

緊急事態編では次のケースがあります

  • 計器が動作不能
  • 両エンジン停止
  • 主翼破損
  • 急減圧
  • 飛行中の火災

例えば次の動画は両エンジン停止のケースを想定したゆっくり実況動画です。
あくまでフィクションです。

緊迫した客室の様子を撮影した動画

YouTubeには緊迫した客室の様子を撮影した動画がいくつかアップロードされています。
日本での事例を2つ紹介します。

2014年11月10日 ジェットスター・ジャパン GK556便

福岡空港発、関西空港行のGK556便で前輪がパンクした可能性があるとして、関西空港に緊急着陸した事例です。 幸いにも乗員乗客にけがはありませんでした。

夜間の飛行で地上から機体の状況を把握できなかったことから、万が一に備えて乗務員が安全姿勢を取るように呼び掛けたという状況です。

この動画では、緊迫した客室の状況を知ることができます。

安全姿勢について説明し機長の「Brace, brace, brace」の指示のあと、客室乗務員が「前にかがんで!頭を下げて!!」と何度も何度も叫んでいます。
普段は叫ばない客室乗務員が必死の呼び掛けている様子は、緊張感が違います。

着陸に成功したときには拍手が鳴り響いています。

2020年12月4日 日本航空904便

こちらは那覇空港を離陸した日本航空904便の左エンジンから異音と振動が発生したため、エンジンを停止させて緊急事態を宣言し、引き返した事例です。
この事例については運輸安全委員会が重大インシデントに認定しました。

機内はとても揺れており、音もします。

機長の「我々はこのようなときに備えて十分に飛行訓練を行っていますので、どうぞご安心ください。」という丁寧なアナウンスが、乗客に安心感を与えている印象がありますね。

こちらも的確な判断と操縦により、 乗員乗客にけがはありませんでした 。

理解しておきたい用語と解説

動画を視聴するにあたっていくつかの用語を覚えておくと、理解が深まります。ここでは僕の視聴経験をもとに最低限知っておくべき用語をまとめておきます。

用語 解説
スラストレバー 機長と副機長の操縦席の間にある、エンジンの出力を変えるためのレバー。前方に倒すと出力が上がって速度が増す。
ラダーペダル 操縦席の足元にあるペダル。ラダーと連動しており、飛行機の向きを変えられる。
ラダー 方向舵。垂直尾翼についている。
フラップ 主翼の後ろ側にある、飛行機の揚力を増大させる装置。
スポイラー 主翼の上面等にある、飛行機の揚力を減少させる装置。
ゴーアラウンド 着陸を中断して上昇すること。
ニアミス 飛行中の飛行機同士の異常接近。
緊急降下(Emergency Descent) 機内の気圧が急減圧した場合に高度3,000m以下まで緊急降下する操作。高度12,000mと同じになった場合に人間は30秒ほどで気を失ってしまうため、これを行う。

まとめ

今回は飛行機の緊急事態の状況と対策を解説しているチャンネルについて紹介しました。

上記の動画を観ると、日本の航空機は大丈夫なのか?と不安に思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、 日本の航空会社は現在の安全性ランクで非常に高い水準にある ことが知られています。過去の事故を教訓に、日々安全性を高めるべく飛行訓練や改善をしているわけです。

今回紹介したチャンネルをもとに飛行機の安全性や取り組みに関して、理解を深めていただければと思います。